一応今回のノリ騒動についてはオリックス球団擁護の姿勢なんで、そういう事をつらつらと。

 前の記事ではオリックス唯一の非として「ノリと年俸2億円の契約を結んだ事」と書きましたが、実際去年の開幕前の時点でも2億は無いだろと言う感じはしました。
 それまで日本国内の球団で5億とか3億貰ってて、減額しての2億ならまだ理解は出来ます。しかし(昨オフの時点で)前のシーズンは亜米利加のマイナーでプレーしていた、その前年までは日本で5億円選手だったとしても亜米利加ではマイナー契約で50万ドルの選手ですよ。日本円にして6000万~6500万くらいですか?丁度値段が下がったところに2億円なんて過去の栄光に値段をつけたとしか思えない馬鹿な契約をしたのだからたまらない。
 亜米利加の倍をつけても1億2000万~1億3000万な訳ですよ。もしそのくらいの額であれば今回の提示額も全然制限以内のダウン率だった訳ですよ。1年前のあのノリのどこを見て2億なんて馬鹿げた値段をつけたのでしょうか?
 正直自分としては1年前でも1億2000万でも高いと思いますよ。ぶっちゃけ1年前でも8000万、1年前こそ8000万の選手でしたよ。今なら8000万でも高すぎるくらいです。8000万+出来高の2年契約ぐらいでよかったんじゃないですかね?正直2年目の8000万は高いけど、2年契約ならまだしょうがないと納得できますよ。正直ノリはそれくらいで十分な選手でしたですよ、あの時既に。

 じゃぁ清原はどうなんだと。先述のとおり清原の場合はダウンしてあの価格だった筈です。それでも高いとは感じますが。
 そして以前も書いたとおり、去年の数字的にはキヨよりノリの方が上ではありますが、.232が.222を笑えるかと。その上夏まではノリの打率なんて2割前後の攻防戦、4月の時点では公で絶不調のセギノールより6分も低く、7月の直接対決では7分以上の差(セギ.279、ノリ.207)がついている。もちろんその時点でもキヨよりは下。はっきり言って対戦時にキヨの方が怖かった印象があるくらいである。
 数字が全て、結果が全てならキヨよりも仕事をした、チームに貢献したという事になるのだろうが、はっきり言ってそんな気が全くしない。4月にはキヨが好調の影で1割6分前後で足を引っ張ってた印象しかない。それでも夏前から持ち直して爆発し、結果3割直前まで打率を挙げてチームを引っ張ったと言うなら説明もつこう。シーズン終えて.232、帳尻とすら言えないような体たらくである。結果.222だったとはいえ、4月だけでも好調だったキヨの方がまだ期待が持てる。これだけでもキヨの方がノリより上だと言い切れる。

 加えてキヨとノリの大きな違いは周りへの気遣い。キヨも死球を受けたダルに暴言を吐くなど決して褒められない部分もあるが、基本的には親分肌、兄貴肌で後輩・若手の面倒見がよくマスコミへの対応も現役選手の中ではトップクラスだと思う。彼の人脈の広さもキヨの人格を表しているのではないだろうか?
 野球は人格でやるものでない、そういう人も多い。しかし野球は人間が集団で行う競技である、集団行動において人格が関係ない訳が無い。またプロ野球は人間を見てもらう商売である。対応が醜い豚を見て幸せになれるか?他球団ファンが(・∀・)ニヤニヤするのは別として。やはり客商売ならイメージの良さも従業員に求められる要素ではないか?
 ノリが特別マスコミ対応が悪いと言う話はあまり聞かない。しかしノリの話題はどれもイメージの良くないものばかりである。例えば大塚を「戦力としてどっちでもいい。代わりはいる」など自身のFAでの醜態を棚に上げた発言や、そのFAでの他球団を散々コケにしまくった言動の数々、亜米利加で結局マイナー落ちした時の「罰ゲーム」発言や球団イベントの無断欠席、そして記憶に新しい平野に対しての公傷云々。亜米利加に渡った際も他の選手が合併騒動でてんやわんやの所を自分だけ「愛着がもてない」と逃げ出すように米移籍を懇願。さらに瞑れる球団から10億の功労金までせしめるなど、数々の話題は決してイメージが良いとは言えない、むしろイメージは最悪といっていい。
 これだけの「悪行」を重ねて人間を入れ替えないと言うのも凄い。普通なら若干悪い条件でも我慢して活躍して見返そうとかそういう殊勝な気持ちになってもいいはずである。自分のブランドが地に堕ちてる、自分でぶっ掛けた泥に埋もれていることに全く気付いていない。未だに「ノリブランド」が通用すると信じて疑わず、当たり前一人前の要求をぶち上げる。そんな選手を見に球場に足を向けるだろうか?私なら見たくない。仮に公に来たとして、彼があのままであったならば彼のプレーを見たいと思わない。他の選手の応援はするし、そのために球場へも向かうがノリの応援はしない。
 人格面の評価ではノリとキヨの間には大きな隔たりがある。成績では同等と言えなくもないが(最終結果だけを見た話だが)、人格ではキヨは大きなプラスを与えられるが、ノリはどう考えてもマイナスである。恥ずかしい成績でやっと稼いだ野球の評価も軽く消し飛ぶほどの大きなマイナスである。
 そしてブランド。キヨはブランドを名乗ってもいいと思う(最も「ブランド」などと薄ら恥ずかしい事を口に出来る勇者は二人といないだろうが)。別に読売OBだからではない、かつて西武黄金期の主砲でありパリーグのみならず日本球界を代表する打者であったのだから、そういう扱いをされることは悪いことではない。少なくともノリの僅かばかりの期間の栄光を未だに評価するくらいなら、キヨは一国一城与えて良いくらいの経歴の持ち主である。
 対してノリはどうか?’95年に自身初の20本塁打を放つが、打率が.228ではまだ評価できない。翌’96年には26本塁打で打率も.273とやっと「頭角をあらわした」と言える成績を残すが、その翌年は19本塁打は良いとしても.240とこの3年は安定した活躍とは言いがたい。
 球団の顔としての活躍はその翌年からである。’98年に32本塁打に.260と長距離砲として合格点の数字を出すと、翌年も31本塁打.261と成績を維持、2000年には39本塁打110打点と二冠に輝き、打率も.277を記録するなど猛牛軍団の主砲に成長する。しかしその3年間でチームの成績は5位6位6位。決してノリのせいではないが、そういったチームの成績がノリの評価の低さにつながっている部分もある。
 翌’01年、近鉄は’89年以来12年ぶりのリーグ優勝を果たし、ノリも.320、46本塁打、132打点と自己最高の成績で優勝に貢献し名実ともにパを代表する打者となった。翌’02年も.294、42本塁打、115打点と文句なしの成績を残すが、このオフにFA騒動を起こす。
 騒動を起こしてもそれまで3年のような文句なしの活躍が出来れば評価はついてきただろうが、大型契約を獲得した’03年以降確実にそして急速に坂を下り始める。’95年からの3年が誕生、’98年’99年が成長、’00年からの3年が頂点とするなら、’03年以降は間違いなく落日である。ノリの成績での評価のもっとも大きなマイナスはこの絶頂期の短さでは無いだろうか。対してキヨは’86年の入団から10年西武の看板打者であり、パの看板打者であった。読売に移籍後も成績は落としたが存在感はアピールし続けた。
 キヨとノリでは歩いてきた道が違うし、キヨの幸運とノリの不運もある。キヨは高校時代から注目されドラフトでドラマがあり、プロ入り当初から注目されて期待通りの成績を残した。望まずとも与えられ続けたといって良い。対するノリはドラフト4位からの叩き上げで、アピールしてもチームが下位では認められなかった。キヨとは逆に望んでも与えられなかった不運はある。
 しかし、立場が違えば重圧もまた違う。キヨは与えられ続けたが、反面重圧も凄いものがあっただろう。仮にノリがキヨの立場だったとしてキヨが受け続けた重圧に耐えられただろうか?キヨの凄さはその重圧の中で10年結果を残し続けたことにあるのではないだろうか。対してノリは甘く見て5年、厳しく見て3年の結果で「ブランド」とは片腹痛い。「ブランド」と自分の口で吐くのもどうかと思うが、吐くならあと3年絶頂期の成績を残してから吐け。

 ここ数年のノリの体たらくは改めて言うまでもないだろう。キヨもここ数年は決して褒められた数字ではない。しかしそこに至るまでの蓄積が違えば評価も差がついて同然。キヨがノリより多い給料を貰うのは当然である。
 キヨの2億5000万とも3億とも言われる年報が異常というのは最初の方で書いたとおりに一定の理解は出来る。しかしノリが2億も貰うと言うのであれば、キヨにはやはりそれくらいを提示しないと失礼と言うものである。キヨの年俸を抑えるならば、ノリの年俸もそれなりに下げなければならないだろう。
 今オフのオリックスとの交渉で、ノリ側はキヨが現状維持であることにも触れて「鼻糞ほど数字の良い俺が大幅ダウンで地蔵が現状維持とはどういうことか。俺の方こそ現状維持で奴の方こそ大幅ダウンだろ」とアピールしたとかしないとか。鼻糞ほどの差でそこまでえらそうに語るのもわけわかめですし、その他の評価の差を全く考えられないのも困り者です。
 繰り返しますがキヨとノリの年俸が異次元の物であった事は確かですし、そこだけはオリックス球団は責められて然るべきだと思います。しかしノリとキヨの評価については全く依存がありません。近鉄に思い入れが大きくて元西武であり元読売のキヨが気に入らない、元近鉄の主砲は大事にされるべきと盲目的に信じるノリ信者には不満でしょうが、世間一般で見てどちらが客を呼べるかと言えば間違いなくキヨの方です。キヨがいなければノリは看板になれたかも知れませんが、腐ってもキヨの前ではオーロラビジョンと090金融かデートクラブのビラ程の差があるといって良い。

 加えてノリの姿にかつての近鉄の主砲石井の姿を重ねる声も多いが、それもまた「ふざけるな」である。石井がいつノリみたいに醜く騒いだか?そもそも石井は5億も貰ってないし、近鉄を退団する時に10億の功労金もせびっていない。5億10億貰いまくった挙句に結果を残せず年俸を減らされるノリとは似て非なるものである。当時の石井への同情的な声の多さと、今のノリへの正反対の批判的な声の多さが二人の差を表しているといってよい。

 オリックスが野球協約の定めるダウン限度を超えた提示を行ったことをルール違反とする声もある。しかしこのルールには罰則はなく、年俸調停の際に船主側に有利になるかならないかと言う程度のものである。大体「選手の同意なく限度を超えたダウン提示をしてはいけない」と言うことは「同意を得られればどこまで下げても良い」と言うことである。第一どんな提示であろうと同意しなければサインはしないのだから、このルール自体の存在に意味がない。セルフのSSでオートストップのところで給油を終了するか、エアを抜きながら口まで一杯に入れるかの違いでしかない。
 意味があろうと無かろうとルールはルール、しかし意味がないのは事実。ルールを高らかに叫ぶならルールをもっと意味のあるものにしなければならないだろう。意味のないルールは何の頼りにもならない。意味のないルールを盾にオリックス批判と言うのはあまりにも虚しくないか?
 オリックスが批判されるとするならば1年前に不当に高い値札をノリにつけた事で、その事とそれに対する責任を問うなら話はわかる。「1年でここまで下げるなら最初から高い値段をつけるな。不必要なほどに持ち上げて落とすのは残酷すぎる」と。しかし「キヨとの差が納得いかない」とか「限度が云々」と言うのはいささか的外れな感があるし、オリックス球団に残酷な話でもある。

 「なんで中村みたいなアホに5億も払わなければあかんねん」と思いながらしっかり5億払った挙句に、「盗人に追い銭」を地で行く功労金の10億まで渡した今は亡き近鉄球団よりはまともな思考だと思いますよ、オリックス球団の判断は。